教務室よりおことわり
この寄稿は学生会によるものであり、釧路湿原大学は内容を保証しません。
こんにちは、釧路湿原大学学生会のおぺないです。今年度も、毎年恒例の入試問題予想問題を受験生の皆さんに共有します!
2023年度第1弾は線形代数のコーナーから!早速見ていきましょう!
問題編
【問1】
$n$次元空間内の2つのベクトル$x, y$に対して、以下の演算が成り立つとする。$$||x + y|| = ||x|| + ||y||$$このとき、$n$次元空間がユークリッド空間であると証明せよ。
【問2】
2次正方行列$A, B$がある。$A$と$B$の積が、単位行列$I$に等しいことを示せ。$$AB = I$$
皆さん解けましたか?それでは解答です。
解答編
【想定解-問1】
$n$次元空間内のベクトル$x, y$に対して、以下の演算が成り立つとする。
$$\left| x + y \right| = \left| x \right| + \left| y \right|$$
ここで、$\left| x \right|$はベクトルxのノルムを表します。
このとき、以下の不等式が成り立つことを示す。
$$\left| x + y \right|^2 \ge 0$$
$$\begin{eqnarray} \left| x + y \right|^2 &=& (x + y)\cdot(x + y) \\ &=& x\cdot x + 2x\cdot y + y\cdot y \\ &\ge& 0 \end{eqnarray}$$
ここで、内積の定義から、$x\cdot x \ge 0$、$y\cdot y \ge 0$が成り立つことが分かります。よって、$\left| x + y \right|^2 = 0$のときに限り、$x + y = 0$となります。
このとき、以下の式が成り立つことを示す。
$$\left| x + y \right| = \left| x \right| + \left| y \right|$$
$$\left| x + y \right|^2 = \left| x \right|^2 + 2x\cdot y + \left| y \right|^2$$
$$\left| x \right|^2 + 2x\cdot y + \left| y \right|^2 = (\left| x \right| + \left| y \right|)^2$$
ここで、$\left| x \right|, \left| y \right| \ge 0$かつ、$(\left| x \right| + \left| y \right|)^2 \ge 0$が成り立つことから、$\left| x + y \right| = \left| x \right| + \left| y \right|$が成り立つことが分かります。
したがって、$n$次元空間がユークリッド空間であることが証明されました。■
【想定解-問2】
2次正方行列$A, B$の積$AB$は以下のように定義されます。
$$(AB)_{ij} = \sum_{k=1}^2 A_{ik}B_{kj}$$
ここで、$A_{ij}$は$A$の$i$行$j$列の要素を、$B_{ij}$はBの$i$行$j$列の要素を、$(AB)_{ij}$は$AB$の$i$行$j$列の要素を表します。
このとき、以下の式が成り立つことを示す。
$$\ (AB)_{ij} = \sum_{k=1}^2 A_{ik}B_{kj} = \delta_{ij}$$
ここで、$\delta_{ij}$はKroneckerのデルタ記号を表します。$\delta_{ij} = 1$のときに限り、$i=j$となります。
したがって、2次正方行列$A, B$の積が単位行列$I$に等しいことが示されました。■
数学科の教授陣はとても厳しい方々ばかりですから、受験生の皆さんにもぜひ最後までめげずに頑張っていただきたいです!
以上、学生会のおぺないでした!